ROOTS & SHOOTS
湘南学園小学校3年生の皆さんと、江の島の生き物観察会
Oceans Are Us! Observing Enoshima with Shonan Gakuen Elementary School
湘南学園とジェーン博士
湘南学園は、湘南の海から程近い閑静な鵠沼に、幼稚園からエコスクール認定の小学校、ユネスコスクール認定の中高一貫校まで擁する、2023年には90周年を迎えた歴史と伝統のある総合学園です。
ジェーン・グドール博士との最初の関わりは、遡ること20年ほど前、来日中のジェーン博士が、神奈川県藤沢市・湘南台文化センターこども館を訪問した際、上映されていたジェーン博士の映画を鑑賞に訪れた湘南学園小学校の児童の皆さんと面会したときのことでした。
短時間の対面でしたが、そのときの児童の皆さんがその後、高等部に進学した際、英語の授業で使われていたリーダーテキスト、三省堂『CROWN English Communication』に登場しているジェーン博士とR&Sのトピックを見てびっくり!「あの時のジェーンさんだ!」と記憶が蘇り、学習している英語の成果をここぞとばかりに発揮して、クラス全員でジェーン博士に英文で手紙を書いてくれました。
心のこもった手紙は、JGI-Japanスタッフにより世界歴訪中のジェーン博士に届けられました。
そして、その翌年、2011年に日本を訪れたジェーン博士と、手紙を書いた生徒の皆さんは講演会の会場で感動の再会を果たしたのでした。
小学3年生の皆さんと江の島へ
そんなご縁のある湘南学園の皆さんですが、小学校から様々な分野での体験学習に力を入れており、その中で毎年3年生は海の学習に取り組んでいます。
その一環として、江の島の海辺の生き物を観察することで、海全体の生態系、地元の自然環境への理解を深める学習のお手伝いを、今回はJGI-Japanがさせていただきました。
まず、実際の磯に行く前に、5月15日に湘南学園小学校にお伺いし、事前学習として江の島はどんなところか、どんなお楽しみがあるか、また、自然体験活動に関わるリスクについても、当日安全に楽しめるよう3年生3クラスの皆さんにプロジェクターで見てもらい本番に備えます。
そしてフラワームーンの夜が明けたお待ちかねの5月24日、お目当ての磯は、ほぼ無風で凪いだ海の素晴らしいコンディション!
大潮の干潮に向かう江の島の磯では、潮溜りや岩の隙間、石の陰などからたくさんの生き物を発見する楽しそうな声がいたるところから聞こえていました。
児童の皆様を見守るため、保護者の皆様にも30名以上ご参加いただき、普段目にしている観光地や海水浴場としての江の島とは一味違った、美しい自然とそこに生きるたくさんの生きものの営みをたっぷり見ていただくことができました。
最後は、前回の事前学習の後、児童の皆さんからメールで送っていただいていた質問に答えながら、今回は私が質問に答えるけれど、今日、参加してくれた児童の皆さんに、逆にいつか、まだ私が知らない自然の不思議を解き明かして教えてね、と約束しました。
湘南学園小学校3年生の皆さん、先生方、当日ご協力いただいた保護者の皆様、ありがとうございました!!また海辺で会いましょう!
若年層の自然体験活動開催を応援します
子どもたちの海離れ、自然離れが指摘されて久しい中、若年層の自然体験活動はますます重要性が高まっています。
自然離れが進む原因の一つが野外活動における管理責任の問題です。
若年層を自然の中に案内するには、専門知識を持つ指導者によるリスクマネージメントが必要となることから、野外体験活動の機会が減り、自然から遠ざかってしまうことで知識不足となり、かえってそれが水難事故の原因となるという悪循環になってしまっています。
自然体験活動がもたらす若年層への学習効果は絶大です。
周囲に関心を持ち、まずは知ることからスタートしようというR&Sの精神とまさに合致するこのような活動をJGI-Japanは応援いたします。
そのために、この度、JGI-Japanスタッフがリーダーを務める、新しいR&Sグループの野外体験活動を応援するR&Sグループを立ち上げました。湘南学園の皆さんのような自然体験活動を実施したいと希望する学校、団体などのプログラムを応援し、R&S活動のサポートをいたします。
私立・公立を問わず、学校の中で野外体験活動を伴うR&S活動をしてみたい先生や学校関係者の方、保護者の皆さん、どうぞJGI-Japanにお問い合わせください。
Text: Kiyoshi Koike